“お買い物体験”どうなる?を考えるブログ

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ウォルマート、”実店舗”を武器に”デジタルシフト”

目次

 

■実店舗という資産×デジタルで復活

「ネットで注文すれば、自宅に届く」Amzonに代表されるECの浸透で、「時代遅れ」と言われていたウォルマート。だが、今や業績は好調。

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マクミロンCEOが「オムニチャネルの顧客体験を作り上げる努力を続けている」と言及した米国事業のEC(電子商取引)売上高は前年同期比41%増え、業績をけん引した。ECの成長率は、6四半期連続で4割前後を維持している。決算発表後、株価は上場来高値を付け、好調ぶりを見せつけた。

好調の要因は、お店を持っているという自らの資産を武器に変えたこと。「負の遺産」とも言われた実店舗でECに対抗し、新たな顧客体験をつくっている。

●オンライン・グローサリー・ピックアップ(OGP)

食料品を買うのに、車から降り、店内を歩き回り、商品を選び、お会計をする。お客にとっての手間を解消しれくれたのがこのサービス。

ネットで食料品などを注文して店で受け取る、取り置きサービス。客はあらかじめ専用アプリ内で牛乳や野菜など商品を選んで会計し、取りに行く店と時間帯を選択する。指定した時間に合わせ来店し、ピックアップ専用の駐車スペースに止めると従業員がトランクまで持ってきてくれる仕組みだ。 

このサービスの様子は以下の記事にも詳しい 

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■売場減らすも、売上拡大するビジネスモデルに転換 

オムニチャネル対応がうまくいったことで、これまでのビジネスモデルにも変化が生まれている。

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1962年の創業以来ウォルマートは、店舗数増大→規模の経済性の追求で、店舗数を増やしながら成長してきた。だが、オムニチャネル化により、オンラインでも売上を伸ばせる形になったことで、店舗数(=売場)が減っても、売上は増えるビジネスモデルに変貌していっているのだ。

 

リアル店舗内のデータで広告事業

デジタルを取り入れ小売として復活を果たしたウォルマート。次は、店舗内のデータを活用して省力化・効率化を実現するとともに、広告でマネタイズする取り組みも視野に入れ始めている。

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ニューヨーク州マンハッタン郊外。住宅地の一角にウォルマートが力を入れるデジタル店舗がある。天井には数千個のカメラとセンサーが並び顧客の動きや売れ行きを細かく追跡する。現在はまだ試験段階だが「生鮮品の品質管理に役立つ」(男性店員)という。

今後はAI(人工知能)を用いたデータ分析をもとに、取引先メーカーにデジタル広告を販売することも視野に入れる。例えば、店で自転車を買った客には同社のネット通販サイトでヘルメットの広告を表示し、販売促進につなげる。

 

 

■EC=マーケットプレイスでも事業展開へ

ウォルマートの資産である実店舗を武器に成長続けるウォルマートが、Amazonの本業であるマーケットプレイスにも事業を広げる。

出品者が「 実店舗で商品を扱ってもらう」足掛かりとして出品するように、ここでも実店舗を持つ強みが生かされている。

 

■コロナ禍で売上好調、リアル×デジタル連携がより機能

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一時は、お店を持っていることが「負の遺産」と言われていたウォルマート

だが、ウォルマートは、実店舗が自分たちの資産=武器として、実店舗を活かした形でのデジタルシフトが功を奏した。

ウォルマートは、リアル起点の小売りの成功事例である。