“お買い物体験”どうなる?を考えるブログ

OMO、アフターデジタル、リアル店舗、EC、D2Cなど「お買い物体験」にまつわる情報をまとめています

”売らず”に”体験”を提供するお店「b8ta(ベータ)」

目次

 

■体験を提供するお店「b8ta(ベータ)」

消費者には「世界中のユニークなプロダクトを使って、試せる、体験を」。メーカーには「お客様が、どのように使い、どんな経験をしたのかをフィードバックを」。米国生まれの”体験型小売り”「b8ta」が提供する価値とは?

jp.techcrunch.com

●なぜ、b8taは生まれた?

オンラインではできず、リアルでできること。それは・・・

「オンラインでは確かにスクリーンでいろいろなことができるが、プロダクトに触れることはできない。リテールで、店舗で何ができるかと言えば、行かなければ分からない体験、例えばスピーカーの音質やブランケットの肌ざわりを体験することができるということだ」

 また作り手であるメーカーからすると、顧客と関係作りができない売り方はうれしくない。

「カスタマーリレーションシップが作れない売り方をメーカーも望んでいない」「メールなどの通知ではなく、双方向のリレーションシップが持てる方法を、店舗でのビジネスモデルで実現できないかと考えた」

toCには「体験」を。toB作り手(メーカー)にはそのフィードバックを。というビジネスモデルにたどり着く

 

●リアルな場+優れた顧客体験をセットで提供

メーカーがお店で体験提供しようとすると以下の問題に突き当たる

メーカーがリアル店舗を運営して顧客との接点を持とうとすると、テナント料・家賃や従業員の賃金が固定費として必要になる。 

 そこで、b8taは「アズ・ア・サービス」としてマルッとパッケージ提供。

物理的なスペース提供のほかに、店舗を運用するためのPOSやプロダクトのデータベース、在庫管理、従業員のシフト管理や教育の仕組み、顧客体験の分析レポートなどがパッケージされている

中でも、顧客に体験を提供するスタッフのトレーニングは力を入れている

従業員のトレーニングをかなり重視しているという。「1〜2週間かけてトレーニングを行い、プロダクトやブランドに関する質問に答えられるようにする」

  

■米国トイザらス、体験型のお店として復活 

米国で全店舗を閉店したトイザらス。b8taと提携し体験型のおもちゃ屋さんとして開業する。

forbesjapan.com

新生トイザらスはお店では体験を。

子供たちが遊べるスペースやデモンストレーションなどの「アナログ」な体験と、「デジタル」な体験の両方が可能なものになると説明する。また、商品の在庫がない場合でも、店内に設置したスクリーンとキオスクを通じて、toysrus.comから購入することができるという。

 メーカーには、お店に商品を置く「出品料」をもらい、その対価とし消費者から収集したデータをフィードバックする。

 

■今夏、日本で「b8ta」がオープン

forbesjapan.com

●メーカーに提供するマーケティングデータとは?

リアルの行動データを、WEBサイトのように提供するのはおもしろい。

区画の前を通り過ぎた人の数をインプレッションと読んでいて、まずは何人が区画を通り過ぎたか、を計測します。その中で5秒間立ち止まった人は「興味がある」とカウント。さらに従業員が商品のデモンストレーションを行えば、デモンストレーションの数をカウントします。そして、それらのデータは弊社が提供するプラットフォーム上で売上と連動し、Google Analyticsのような感覚ですべてチェックが可能です。 

●日本ではどんなお店になるのか?

日本の店舗はよりバラエティに富んだ商品ラインナップになりそうだ。

b8taはさまざまな地域で店舗を展開していて、店舗ごとにその地域におけるイノベーティブな商品は基本的におさえるようにしています。日本も同じようにできればと思っていますが、b8ta自体も5年やっていく過程で、ガジェット系だけでなく幅広い商品を展示するようになっていて、店舗のコンセプトも発見と体験にシフトしてます。ファッション、コスメ、飲料・食品(店頭では試飲・試食のみ)、アプリ、サブスクリプションサービスなども出品いただけます。日本は間口を狭めず、伝統工芸も含めて、いろんなものに触れていただきたいと思っています。

 

■「蔦屋家電+」は「日本版 b8ta」モデルで展開中

markezine.jp

 

リアルでしか提供できない価値に特化した「b8ta」。

商品販売ではなく、メーカーへの体験提供サポート&データ提供というビジネスモデルにより、「売らない」という新たなリテールの形に。

コロナの感染防止により外出自粛モードは逆風ではあるが、アフターコロナの世界ではリアル=体験価値はより高まっている。それだけに、体験型のお店「b8ta」は注目のリテールだ。